求人広告を行っても応募が無い(1)

減る人口動態人材概況
減る人口

人が来ないんや・・・

これは現場を訪問した折に社長様から実際に聞いたお言葉です。

今やどの工場に訪問しても、「人が足りない・・・」「募集しても来ない」といった話題になります。特にこの2年ぐらいでぐっと減ったとお聞きします。

更には人がいないので受注を「止めてる」「減らしてる」「機械が遊んでる」との話に至っては本当に残念です。少子高齢化、人口減少社会の現実はモノづくりの現場に大きな影響を与え始めています。

非常に申し上げにくいのですが、今や求人をしたところで満足のいく結果を得ることは非常に稀です。と言いますか応募はまずありません。求人費用をドブに捨てるようなものです。

もともと工場の人材募集は難しかったのですが今や一層困難な状況になっています。

要は工場に勤務する労働者の人口が減少を続けていて、少ない求職者を多く会社で取り合っている。しかも、その度合いが時間の経過を経てどんどん大きくなってしまっているということです。

想像してみて下さい。

一人の求職者に対して、求職者が見えなくなるほど、企業が群がっている様子を・・・悔しいですが、そうなると、どうしたって条件が良いところや大手に流れてしまうもの。

いや、その大手ですら採用計画を充足できずにいるのが現実です。実に恐ろしい。

人がいないで機械だけで生産できる訳もなく、今いる従業員も未来永劫働き続けられるわけもありません。これまでの日本は、人材が人材を生んできました。先輩が後輩に技術や思想を次々に引き継ぎ続けたからこそ工業大国へと進化してこれたのだと思います。

引き継ぐ社員がいなくなる前に、どうすれば良いのでしょう。工場は ものづくり日本の要。正に国力にもかかわる問題です。昨今、コンビニの従業員に日本人を見つけることが難しくなったと聞きます。

人手を確保できずコンビニやファミレスが24時間営業の看板を下ろすとか、降ろさないとか。まだどこか他人ごとのような話題として見聞きする程度でしたが

・・・これは始まりでしかなかったのです。ここからが本番。

目を覆いたくなる事実ですが是非、今こそ直視していただき、今後の運営に向けたご判断の一助にしていただければと願ってやみません。

数字で知る不都合な真実

堅い話になりますが生産年齢人口(15~64歳までの働くことができる層)ってご存知ですか。

超簡単に言うと「働ける層」ということ。この層が年々減り続けていて数字で示すと年間100万人レベルで減っていると言います。

一口に100万人と言いますが自治体でいうと和歌山県や香川県の人口がそのぐらいです。一年にしてこの自治体が一つ消滅してしまう規模。まさに加速度的に人がいなくなる。冗談ではなくホラーと言っても過言ではない。それほどショッキングなことです。

しかも、この現象。今年だけとか、最近とか、ここしばらくとか・・・じゃなく

この先、三十年は続くと予想されている。

求人という視点から見ると人口が減少すれば分母が小さくなるわけで確率論的に採用も難しくなる。先日報道で見かけたのは大手を中心に豪華な寮に社内にカフェやサロン。いずれも福利厚生に追加らを入れ始めていると言います。目に見える福利厚生を拡充して今いる社員の満足感を上げ求人での受けを狙っているのです。

しかし、これはいつか来た道。バブルの頃と同じ現象。あの頃は、人口はいましたが売り手市場の求人環境でした。あの手この手で求職者を確保しようと。そして、今いる従業員を囲い込もうと、なりふり構わず来ている状況です。つまり、よほどじゃないと採用できない社会になってしまったということです。

先日、ある社長様から「3年前から求人してるけど思ったような採用ができない」というお話をお聞きしました。人が欲しい。欲しいから求人を止められないということ。身につまされます。

これからどんどん厳しくなる求人環境。残念ですが・・・

「いつか来るよ」、「我慢して求人してれば、そのうち・・・」とか、

「もう、そろそろ・・・」とか、

「たまたま今、来ないだけ」なんてことではありません。

また、「求人広告の媒体が悪い」とか「表現が悪い」「やり方が違う」とかいう技術的な問題でもありません。

来ないのは・・・

・そもそも対象となる職種が少ない求人だから

・求人数が求職者を圧倒的に上回ってしまったから

・逆に言うと応募する人より、募集している会社が多いということ

大切なことなのでもう一度言わせてください。人手不足はこれから先、けして好転しません。それどころか今後、更に悪化します。

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